オーストリア

 バート・イシュルはザルツブルグ東南部の深い山の中にあり、三方を山で囲まれた 谷間の温泉地である。さびしい製塩の村であったが、1820年ウィーンの医師がこの地の 塩水療法を紹介し、皇帝フランツ・ヨーゼフ二世の愛顧を受けてから、またたくまに有名になった。 村の北部に皇帝の館カイザー・ヴィラがあり、ここから町の中心部を望むことができる。 皇帝の死後、湯治に訪れる客はすっかり減少してしまったが、1929年、現在のクアハウスが完成し、 一般の人を対象にした保養地として再建され、現在にいたっている。

皇帝が利用したバート・イシュルのクアハウスは、 現在一般に開放されている