韓国は歴史的に「汗蒸(はんじょう)」と呼ばれる蒸し風呂が普及し、現在も盛んに利用されている。温泉による療養・保養も一部で古くから行なわれていたが、温泉地の多くは日韓併合時代に日本人によって開発された。こうした理由から、第二次大戦までは日本人の経営する温泉旅館や共同浴場が多かった。その名残で今も浴場や宿の看板には、"温泉マーク"が見られる。浴場のつくりや入浴のシステムはだいたい日本と同じだが朝風呂が多く、「垢すり」など体を磨くことに熱心で、ゆったり浸かっている人は少ない。たのめば体を洗ってくれる係もいる(昔、日本では「三助」と呼ばれた)。なお、韓国では露天風呂はめずらしい。
温泉行は日本と同様、もともとは療養・保養目的であったが、行楽シーズンに周辺の観光地を巡り、宿泊基地として温泉が利用されることが多くなった。しかし近頃では、ソウルなど大都市周辺の日帰り圏内の温泉地で、豊富な種類の風呂やサウナ、温泉プールや露天風呂を備えた健康ランド的施設が人気を呼んでいる。
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