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20日は職業訓練センターに会場を移し、午前の部「流域版活動報告」と午後の部「全国版活動報告」が行なわれた。前者は地元米代川流域の鹿角市、大館市、鷹巣町、能代市などで「秋田スギの家づくり運動」を実践するメンバーたち、また後者は「近くの山の木で家をつくる運動」に取り組むメンバーたちで、それぞれ宮城、福島、愛知、京都から参集した。なお、司会は大館事務局・阿部洋久さんが担当した。
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午前の部の最初は、阿部ハウス(鹿角市)代表・阿部正一さんから「大工として」と題した報告が行なわれた。長らく現場で実際に木を扱い、そのすべてを知り尽くした経験から「木は50年、100年というスパンで考える」と淡々と語ることばに含蓄が感じられた。
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「潤いのある街づくり」に関して発表する
谷川原郁子さん
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「日本の森林の現状」に関して報告する
渡辺俊一さん
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東京で活動したあと、大館市に戻って自身の設計事務所「やがわら郁子設計室」を主宰する谷川原さんは、健康で個性あふれる住まいの設計をコンセプトとし、日常生活がより楽しくなるためにと五人の仲間と活動を続けている。今回のテーマ「地元の木で潤いのある街づくりを」では、安くするために工期を短縮し、出来合いの新建材で済ませてしまう現在の風潮を指摘、気候風土に根ざした街の文化を形成していく難しさを訴えた。
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続いて、北秋田森林組合(鷹ノ巣町)加工課長渡辺俊一さんから「日本の森林の現状」、SKリース(能代市)取締役豊田暢義さんから「地球環境問題からの住まいづくりを考える」と題した報告がされた。渡辺さんの報告のなかでは、国産住宅材の使用量があと20パーセント増えたら、相当きびしい地域が出てくるという指摘は衝撃的であった。現在、面積に比して住宅に使える木材は少ないことを理解している人はほとんどいないのではないだろうか。また、豊田さんの報告によるインドネシアにおける森林破壊の現状、フロンガスや産業廃棄物問題などを聞くにつけ、私たちが真剣に取り組むべき問題が山積していることを痛感した。
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谷川原さん設計の住宅内部
フローリングはムク材を使用
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谷川原さん設計した
20坪のセカンドハウス外観
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午後の部は、愛知県足助町の設計事務所「ほるくす」常務・大江忍さんによる「産直から地元での家づくりへ」でスタートした。当事務所は住宅設計のほかにも文化財復元の仕事も多く手掛けているが、足助城や静岡県掛川城などを例に挙げながら、伝統的工法を解説。また木材だけでなく、屋根瓦や漆喰といった伝統素材・技術にこだわる姿勢を強調した。つづいては、仙台でササキ設計を主宰する佐々木文彦さんから「杜の家づくり」と題する報告がなされた。佐々木さんは、自分の家で使用する木を実際に現場に案内し、施主に大黒柱を選んでもらうという手法を取るというが、こうしたきめ細かいサービスにより、住宅に対する意識も変わってくるのではないだろうか。
このあと、平木建設(福島市)富樫龍男さんから「木と建築・環境保護と木の役割」、木創(京都府宇治田原町)主宰・光島善正さんから「地域に根ざした家づくりのお手伝い」と題してそれぞれ報告があった。両者はエコロジー建築を追求し、自然素材にこだわる活動を展開しているが、ともに柿渋づくりという共通するテーマが大変興味深く感じられた。また木材だけでなく、そのほかの建築部材も地方で生産しようとする意欲は頼もしく、こうした地道な取り組みが環境に負荷をかけず、地場産業に貢献することがよく理解できた。
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「ほるくす」が手掛けた
掛川城大手門の修復
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「ほるくす」によって
400年ぶりに復元された足助城
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ササキ設計が手掛けた土屋邸の内部
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土屋邸の大黒柱用の杉を
伐採する施主
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