ナマズの養殖センターが「さわらび」の近くにあるというので、見学に行った。増田町特産品生産振興センターと、いかめしい名が付いているが廃校になった学校の講堂を利用した建物だ。平成9年から試験を重ねながら地元でとれるイワナやナマズの養殖によって町おこしをしようと取り組んできたものであるが、平成11年から生産を開始し、「さわらび」の開館によって料理用素材として供給も始まった。
 

養殖センター内部
 ナマズは雄物川水系から獲れる「日本ナマズ」であるが、共食いをするので生存率が低く、これをいかに抑えるかが養殖のポイントだという。高たんぱく質の配合飼料を与え、共食いを防ぎ現在、生存率は50パーセントほどだという。また、施設の管理を行なっている技師の石田道広さんによると、東北電力と日立冷熱の共同で開発した「高効率魚類養殖システム」により、通常は3年くらいかかるものが、1年で成魚となるという。冷水魚であるイワナと、温水魚であるナマズを同時に飼育できるこのシステムによって、寒冷地での効率のよい魚類養殖が可能になったことは注目されよう。
 

管理している石田さん

養殖中のナマズ

養殖センター外観
 淡泊な味で知られるフグになぞらえ、「山フグ」と呼ばれるナマズの料理であるが、町の名物にしようとの期待も徐々に実を結びつつあるようだ。
 



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