森になごむ山あいの宿
 

 かつて街道沿いの市場町として栄えた増田町は、現在、人口約9,700人のこじんまりした町だ。特産品のリンゴで名高いが、近年は「釣りキチ三平の里事業」を展開して地域振興を計っている。ここ増田町は「釣りキチ三平」の生みの親・漫画家矢口高雄のふるさとなのだ。
 

電熱式のロードヒーターが設置されたエントランスと外観

客室も氷蓄熱式の空調機が
設置されて快適


石を使った大浴場はサウナや
ジェットバスもある

 
 十文字町から東へ、成瀬川と平行した342号線をたどって山間に分け入ると、前記事業の一環として平成12年にオープンした保養宿泊施設さわらびが姿を現す。途中の景色からは想像できない豪華な建物であるが、じつは環境や省エネに力を入れている。蓄熱槽に夏は氷を蓄えて冷房を、冬には温水を蓄えて暖房する「氷蓄熱式空調システム」という最新設備によって快適な空間が保たれているのだ。
 
 評判の浴場は石を基調にした大浴場、ヒノキをあしらった中浴場があり、それぞれサウナや露天風呂が付く。さらに大浴場にはジェットバスもある。男女日替わりなので、朝晩利用すれば両方を楽しめる。また、こぶりな総ヒノキつくりの家族風呂も心地よい。
 客室はみなゆったりした間取りで申し分がない。大広間のほかに会議室もあるので、保養や観光以外にも利用方法は広い。料理は和風会席が基本であるが、めずらしいのが「山フグ」として売り出しているナマズ料理。近くの専用施設で養殖したものを、さまざまなメニューにアレンジして提供している。また、ぜひおすすめしたいのが、手打ちソバ。コシの強さ、のどごし、香りなど、ソバにうるさい人も十分満足できると思う。






ヒノキをふんだんに使った
中浴場は露天風呂



総ヒノキつくりの家族風呂


名物ナマズ料理。柳川鍋、
唐揚げ、てんぷらなど多彩


[泉質]
硫酸塩泉、47℃

[適応症]
動脈硬化、切り傷、皮膚病など
   
 
[さわらび]

〒019−0705 秋田県平鹿郡増田町狙半内字古家沢口15
TEL0182−55−5050  FAX0182−55−5055 

料金=12,200円から15,700円(2食付)。食事なしは、5,000円から8,500円
外来入浴=500円 11:00〜16:00




[交通]
秋田新幹線大曲駅で奥羽本線に乗り換え横手駅下車、もしくは山形新幹線新庄駅で奥羽本線乗り換え十文字駅下車。横手駅から上畑温泉行きバスで約1時間、十文字駅から同約30分(バスの時刻など季節で変動あり、宿で確認)
[問い合わせ]
田沢湖町観光情報センター TEL0187−43−2111