モクネットの目的とその活動
次に、モクネットの概要をわかりやすくまとめてみよう。
[設立目的]
米代川流域の森林資源を活かし、地域振興につながる林業・木材のまちづくりを行なう。産地と都市を直結し、自分たちで植林・製材した杉材を安定供給する。また、このことによって秋田杉の需要拡大に努める。
[組織構成]
ストックヤード1、製材5、木材加工5、木工3、設計事務所2、インテリア2、工務店3等および〈木創〉の株主計13業種17人(以上、産地側の数のみ)。
[事業内容]
流域のストックヤード、製材所、工務店、運送会社のネットワークによって、「モクネット規格材」を集材・配送する。規格は杉の持つ調湿作用と断熱作用を最大限に活かすため、ヴォリュームのある寸法にする。また秋田杉の持ち味を引き出すために、60〜120日自然乾燥させる。伝統的な技術を基本とした、丈夫で長持ちのする住まいづくりを提案する。ムク材のキッチン、テーブル、備え付け家具の材料などの要望にも対処する。さらに、伝統的な地域住宅や地元の材料を使った家並み・町並みを通してまちづくりを推進するため、セミナーや勉強会などを開催する。
[成果と波及効果]
モクネット規格材の供給によって建設された木の家は、これまでに全国で約250棟分。地球環境にやさしく、健康にもよい「エコロジー住宅」が注目され、ユーザーからの需要が伸びている。一般住宅だけでなく、二ッ井町の町営住宅建設といった「きみまちモデル住宅」の建設により、広く域外へと情報発信できる。このことによって、さらに運動の広がりが期待できる。
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