さて、温泉にいくと必ず目にする「温泉成分分析表」は、源泉が法律に定められた条件を満たしていることを意味する、いわば温泉営業認定証のようなものである。分析結果とともに適応症や禁忌症が書かれているが、はっきりした治療目的をもって訪れた人以外は関心が薄く、ちらりと読んではあらかた忘れてしまうというのが現状のようだ。 温泉の分類にはPH区分、温度区分、浸透圧区分、泉質区分の4種類があるが、PHが著しい場合などを除いて、効能にいちばん関係するのは泉質である。泉質は1971年(昭和46)の温泉法改正で主な含有イオン名で表わすようになったが、一般になじみにくいため、9種類に単純化された掲示用新泉質名で表示されている。それぞれの特徴と、泉質に基く効能をおおまかに列記すると次のようになる。なお、[ ]内は改正前の旧泉質名である。 |