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湯の香にしのぶ史跡の里 |
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秋田有数の米どころとして知られる仙北町は、同時に古代史跡の町としても有名だ。平安時代、当時の律令国家が東北を治めるために設けたとされる払田柵(ほったのさく)は、現在、行政と軍事を兼ねた前線基地と考えられており、その遺跡は町のシンボルになっている。
(興味のある方はホームページのトップにもどり、「木の国・水の国」から順次「仙北平野」→「仙北の歴史」に進んでください)
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明るくて広い大浴場
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柵の湯は、かつて「秋仙荘」として地域に親しまれてきた憩いの場が、面目を一新して生まれ変わった温泉施設であるが、「史跡の里交流プラザ」というキャッチフレーズを反映し、環境を意識したちょっと渋めの建物である。また館内の木の柱土壁を意識した壁面などにも同様の配慮が感じられる。客室は和室、洋室ともに5部屋づつ、定員は40名である。木をふんだんに使用した和室とは対照的な、カントリー調の洋室は若い女性客に好評のようだ。また、会合の予約がないときに休憩室として利用できる大広間と中広間、食堂がある。しかし、一番の特徴は一ッ森を背景に設置された野外ステージと、三方を建物に囲まれた中庭風のイベント広場であろう。こうした空間を備える施設は他に例を見ないだけに、効果的なプログラムを企画してほしい。 |
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浴室は大浴場、露天風呂、サウナ、ジェットのほかに、バリアフリーの特別浴室(予約制)もある。源泉は新規に掘削したものであるが、かつての「秋仙荘」時代と変わらぬ良質の湯で、良く温まるのが特徴だ。 払田柵以外にも隣接する茅葺き・曲がり家の「みずほの家」、民具や農具を展示する「歴史民俗資料館」、「餅の館」といった歴史関連施設が点在しているのでぜひ訪れてみたい。とくに「餅の館」には約400種類の餅と、餅にまつわる民俗行事のパネルが展示され、改めて日本の餅文化の意味を考察することができる。米どころならではの、きわめて興味深い資料館であった。 |