多彩な風呂でリフレッシュ  

 小京都として名高い角館の近郊にオープンした公共の温泉宿泊施設だが、前身は「ひでこ荘」として親しまれてきた町営施設である。温泉棟、宿泊棟、秋田伝統の曲り家を再現した3つの建物からなる角館最大の宿泊施設である。角館の観光名所から多少離れているが、シャトルバスが運行されているので不便さは感じない。

ひときわめだつモダンな外観
ゆったり広い大浴場*

 温泉は「花の湯」と「葉の湯」と呼ばれる男女別の大浴場、露天風呂をはじめサウナ、打たせ湯、電気風呂、泡風呂などと多彩で、近頃では利用客もうなぎのぼり人気の高いスポットとしてよく知られるようになった。宿泊定員は140名、部屋は和室、洋室、和洋室、ファミリールームとこちらも多彩、条件によっていろいろと選択肢があるのもありがたい。2室あるカラオケルーム、大広間、宴会場、会議室、レストランなど関連設備も整っている。和・洋・中華・郷土料理がそろうレストランは雰囲気の良さが好評で、家族連れの利用客も多い。

人気の高い露天風呂

 宿泊客の食事には、地元の食材を使った四季折々の料理が供されるが、なかでも 注目されるのはご飯に使用する米であろう。秋田といえば「あきたこまち」と言われるほどに、ブランド米として全国的に人気が高いこの米を、さらに特別な方法で作ったもので、「炭壌米(たんじょうまい)」と名付けている。雪解けの田に炭の粉を散布し、土壌を改良することで水質を良くし、また堆肥となることでおいしい米が穫れるのであるが、この炭壌米を宿泊客はもちろん、レストランでもその都度 自家精米して提供している。

秋田の民家を再現した「曲り家」
明るくくつろぎやすい和室

 花葉館の名称は、佐竹義文公が採集した植物標本『花葉集』にちなんで命名されたものであるが、現物は伝承館に収蔵されているので、武家屋敷をはじめとする角館観光のさいにぜひ見ておきたい。角館はとくに桜の季節が有名であるが、新緑、紅葉も美しいので夏や秋の祭りに合わせて訪れるのもよいだろう。


[泉質]
カルシウム、ナトリウム、硫酸塩泉

[適応症]
動脈硬化、慢性皮膚炎、やけど・きりきず、筋肉痛、関節痛、消化器病
[花葉館]
〒014−0344 秋田県仙北郡角館町西長野字古米沢30−19
TEL0187−55−5888  FAX0187−53−3337   

宿泊料=平均10,000円〜14,000円(2食付)。休日前は2,000円アップ
日帰り入浴=大人400円、小学生200円 9時〜21時

[交通]
秋田新幹線角館駅下車、同駅から秋田行き・境行きバスで20分、花葉館前で下車、もしくは秋田駅より角館・田沢湖行きバスで90分、花葉館前で下車。
なお、午前中往復2便、午後1便、花葉館と角館役場・武家屋敷を結ぶ無料のシャトルバスを運行