滝つぼに降りそそぐ温泉の妙味
 他に類を見ないユニークな温泉を紹介しよう。湯沢市の南の端、ブナの森に囲まれた山中に湯が滝となって落下している露天風呂があるのだ。
 
 県南有数の温泉泥湯から西へ2キロ、尾根を越えると川原毛硫黄山がある。別名「川原毛地獄」と呼ばれ、草木も生えない荒涼たる地域だ。大同2年(807)に月窓和尚が開山し、前湯寺を建立したという歴史をもつ。青森県の恐山、富山県の立山と並ぶ日本三大霊場のひとつである。また、昭和40年代まで採掘が続けられた硫黄鉱山として知られる。
 温泉が滝となって降りそそぐ大湯滝は、この川原毛地獄から徒歩で20分ほどの場所にある。川岸から湧出した100℃に近い源泉が川の水と混じりあい、湯の川となって20メートルの高さから降りそそぐさまはなんとも壮観である。二条に分かれた滝の下はふたつの滝つぼとなり、それが格好の浴槽となっている。6月下旬から9月中旬くらいまでが40℃前後の湯加減となり、入浴に適している。きわめて強い酸性のため、長年下流の農民を苦しめてきた毒水であるが、現在は秘湯として知られはじめ、徐々に訪れる人も多くなった。

川原毛大湯滝の全景
   
 なお、宿泊施設はないので泥湯温泉などを利用。
 

更衣室はないので、水着着用

川原毛地獄

川原毛地蔵菩薩像
[泉質]
強酸性泉、源泉96℃

[適応症]
水虫、湿疹、皮膚病、眼病など
 
[所在地]

秋田県湯沢市高松湯尻沢


 
[交通]
奥羽本線湯沢駅から泥湯温泉行きバスで約1時間20分、終点下車、徒歩約50分。車利用の場合は、泥湯温泉経由川原毛地獄下車、徒歩約30分

[問い合わせ]
湯沢市商工観光課 TEL0183−73−2111