隠れ里の雰囲気を楽しむ
 かつては雄物川に通じる楢岡川を回船が上り下りして賑わった南外村であるが、製炭、養蚕、馬産とともに、岩倉の湯も古くからその存在が知られていた。江戸時代には湯守がいて源泉を管理し、「湯元の湯」あるいは「磐倉の湯」と呼ばれていた。菅江真澄もここを訪れ『月の出羽路』に詳しく紹介している。ところが、地元の人たちに利用されていたこの温泉は、大正3年の強首(こわくび)地震によって湯が止まってしまい、そのまま戦後まで放置されていた。
 

周囲の樹林に溶け込んだ建物外観

湯壺跡(手前)と温泉の神さまを祀る薬師神社
 
 しかし、昭和31年に秋田大学の近藤忠三教授の調査を契機としてボーリングしたところ、再び湯脈を掘り当て、さらに再ボーリングして高温の湯を得たという経緯がある。川沿いに建つ赤い屋根の建物は昭和53年に完成したもので、周囲の森によく映えた瀟洒な建物だ。
 

浴室は小振りだが
よく温まると評判

玄関の脇に飾られたやきもの

落ち着いた和室
 
[泉質]
弱食塩泉、63℃

[適応症]
リウマチ、神経痛、痛風、創傷、皮膚病など
 
[岩倉温泉]

〒019−1944 秋田県仙北郡南外村字湯元1
TEL0187−74−2345 FAX0187−74−2346

料金=10,000円〜12,000円(2食付)
外来入浴=400円 10時00分〜16時00分




[交通]
秋田新幹線大曲駅下車、同駅から岩倉温泉行きバス(神宮司駅経由)で約45分、あるいは大曲駅から奥羽本線に乗り換え、神宮司駅から同バスで約25分