七種類の温泉浴が魅力

 秋田の温泉のなかでも、もっとも知名度の高い温泉のひとつであろう。1918年に創業というから、80年以上の歴史を誇る。火山帯の真上にある八幡平は、いたるところに温泉が湧き、その種類も様々であるが、このような特性を応用して、後生掛温泉では七種類の温泉浴が堪能できる。


 
「火山風呂(手前)」 と 「神恵痛の湯」   名物の「箱蒸し風呂」
 なかでももっともユニークなものが、木箱から首だけだして温まる「箱蒸し風呂」で後生掛の名物となっている。さらに自然の蒸気を利用した「サウナ風呂」、温湿布の作用をする「泥湯」、マッサージ効果の高い「打たせの湯」、神経痛に効く「神恵痛の湯」(経と恵を語呂合わせした命名)、美肌効果の高い「火山風呂」、そしてもちろん「露天風呂」と合計七つ。まさに温泉天国ここに極まれり、といった観がある。
 
 
旅館部の客室   湯治部の大部屋で くつろぐ滞在者
 後生掛温泉は昔から湯治の湯、現代風に言えば「温泉療養」のメッカとして名高い。そのため、一般の客を対象とした旅館部のほかに、保養目的の人を対象とした湯治村保養館五棟がある。一年中地熱で床を温めたオンドル部屋があり、好みによって個室、大部屋が選べる。食事付でもよいし自炊も可能だ。売店や自炊場が完備しているので、症状に合わせて長期滞在ができる。
 

 
後生掛温泉湯治部外観  
秋田の特色を打ち出した料理
 周囲は豊かな自然に囲まれ、気が向いたら是非散歩やハイキングに出かけたい。温泉の東側に広がる「自然研究路」は一周約40分、山あいのいたるところに湧出する湯泉や泥火山、また広さ1ヘクタールの大湯沼の噴泥、噴湯など、火山活動の一端を観察できる。なお後生掛という名前は、九兵衛という若者とその妻、重病の九兵衛を助けた女巡礼との三角関係のもつれから、女性ふたりが噴湯に身を投げ、残された九兵衛が二人の後生を弔ったという故事に由来している。
 
[泉質]
食塩硫化水素泉、白色半透明、70℃

[適応症]
交通事故後遺症、神経痛、皮膚病、婦人病、リウマチなど
 
[後生掛温泉]

〒018−5141 鹿角市八幡平熊沢国有林内
TEL0186−31−2221  FAX0186−31−2223

旅館部料金=9,000円〜15,000円(2食付)
湯治部料金=部屋の種類、人数など条件によって1,800円〜4,500円の幅があるので、詳細は宿に直接問い合わせ
外来入浴=400円 7時〜19時30分